Hugin グラフィカル・ユーザー・インタフェースは,Hugin Decision Engineの機能を使用できるインタラクティブなツールです.これは他のアプリケーションで使用できるモデルを構築することを支援します.
Hugin グラフィカル・ユーザー・インタフェースは,また教材としてもお使い頂けます.学生たちにベイジアンネットワークのコンセプトを学習させるとき,彼らが使いやすいツールによってベイジアンネットワークをモデルしてテストできることは,とてもやる気を与えることでしょう.
Huginグラフィカル・ユーザー・インタフェースは, Hugin Development Environmentのコンポーネントです. ほかのおもなコンポーネントは,Hugin Decision Engine と Hugin Application Programming Interfacesです.
Huginグラフィカル・ユーザー・インタフェースをお使い頂く前に, 最低限,チュートリアルの章で説明するベイジアンネットワークのコンセプトをご理解頂く必要があります. この章は,Huginグラフィカル・ユーザー・インタフェースを用いて, ベイジアンネットワークの構築ためのステップ・バイ・ステップの説明も含んでいます.
決定ノードと効用ノードによるベイジアンネットワークの拡張は, インフルエンス・ダイアグラム として知られており,意思決定シナリオを明確にモデルすることを可能にします.(制限記憶)インフルエンス・ダイアグラム(LIMID)についての知識がないユーザーは,チュートリアルの章でこれについても学習できます.これもHuginグラフィカル・ユーザー・インタフェースを用いて LIMIDの構築の方法をステップ・バイ・ステップで説明します.
また,オブジェクト指向ネットワークのコンセプトについても学習できます.これは,繰り返しパターンを持ったモデルの構築や,階層的な様式(トップダウン,またはボトムアップ,あるいはこれらの混合)でのモデルを構築に,とても強力なメカニズムを提供し,大規模なモデルを理解しやすくします.同様に,Huginユーザー・インタフェースを用いて,オブジェクト指向ネットワークの構築の方法をステップ・バイ・ステップで説明します.
ノード表,表ジェネレータ,構造学習の実行方法,CPTの学習,経験によるネットワークのパラメータの適応,ケース・ジェネレータ,ネット言語などについて自習できます.
Huginユーザー・インタフェースの最も基本的な機能について習得すると,さらに高度な機能の使用を開始できます.
Hugin API の章では, C, C++, Java, または Visual Basic のプログラムの中にHuginのベイジアンネットワークとインフルエンス・ダイアグラムを組み込む機会について理解できます.
コンポーネントの説明を読むとHugin Development Environmentのコンポーネントの詳細を知ることができます.
ベイジアンネットワークでは,ある原因がネットワーク中の異なる経路を通って同じイベントを作用することができるときに,この風説問題が起こります.
この問題が解決されて,ベイジアンネットワークによってモデルされるどのようなドメインにおいても使用できる一般的な手法が作られました.
この手法は,汎用的な開発および実行時システムにプログラムされました.それはベイジアンネットワークに基づいてエキスパートシステムを構築したいと考える誰にでも簡単に使用できます.そのシステムは, Hugin(フギン)と名づけられました.長い年月をかけて,そのシステムは,さまざまな方法で拡張されました(たとえば,インフルエンス・ダイアグラム,連続変数,構造学習,適応,オブジェクト指向仕様のベイジアンネットワークとインフルエンス・ダイアグラムなど).
訳者註: MUNINおよびHUGINという命名は,北欧神話に登場するワタリガラスの名前にちなんでいます.MUNINは記憶を司り,HUGINは知恵を司ります.したがって,北欧風の発音に従うHUGINの発音は,英語風の発音とは異なります.正しい発音はよくわかりませんが,口をゆるく開いて「フ」と「ハ」の間を発音する気持ちで「フギン」と言うと良いと思われます.