Hugin開発環境は,3つの主要コンポーネントを持ちます: Hugin Decision Engine,アプリケーション・プリグラム・インタフェースのコレクション,そしてHugin グラフィカル・インタフェースです.
Hugin Decision Engine (HDE) は,ベイジアン・ネットワークまたはインフルエンス・ダイアグラムとして表現された知識ベース(ナレッジベース)上で推論を実行します.HDEは,推論プロセスと関連したすべてのデータ処理とストレージ・メンテナンスを実行します. HDEの心臓部はコンパイラで,それはネットワークでの推論をとても効率的に実行できるようにするために,ネットワークを(ジャンクション・ツリーと呼ばれる)効率的な構造に変換します. 中小規模のネットワークについては瞬時に推論ができ,大規模なネットワークでもほんの数秒で推論ができます.
Hugin グラフィカル・ユーザ・インタフェースを介してアクセスHDEにアクセスするか, Hugin アプリケーション・プログラム・インタフェースのうちのいずれかを用いてアプリケーション・プログラムからHDEにアクセスすることができます.
Hugin API(アプリケーション・プログラム・インタフェース)は,プログラマが,Hugin Decision Engineの推論パワーを活用しした知識識ベース・アプリケーションを構築することを可能にします.Hugin APIのうちの1つで使用される場合,Hugin Decision Engineの諸機能は,アプリケーション・プログラマにイベントのトータル・コントロールを提供する通常のプログラム・ライブラリとして機能します.
Hugin APIは,現在のところ,C, C++, .NET および Java ライブラリ,そして ActiveX サーバーとして提供されています.
Hugin Decision EngineがAPIを用いて提供する最も重要な関数/機能の一覧が,Huginのwebサイトの機能一覧にあります.
Huginのwebサイトから Hugin API レファレンス・マニュアルをダウンロードできます.
Hugin グラフィカル・ユーザ・インタフェースは,ネットワーク・モデルを作成して保守し,さらにそれらを実行(エビデンスを入力して結果の確率分布や期待される効用を表示)するために使用します. Hugin グラフィカル・ユーザ・インタフェースは異なる2つのモードで操作できます:編集モードと実行モード.編集モードでは,ノードが作成されたリンクされ,ステートとアクションが指定され,そして,条件つき確率表と効用表をウィンドウ駆動,メニュー駆動およびマウス駆動インタフェースを用いて作成できます.実行モードでは,それぞれのノードについての確信度と効用が表示されます.ユーザは,個々ののノードのステート/アクションを選択することによって,追加的にエビデンスを入力できます.Hugin Decision Engineは,したがって,改訂された確率と期待効用値を得るために情報を伝播することに関与します.
さらなる性能を得るために,Hugin Decision Engine とコンパイラは,スパース(疎)な確率表を圧縮する機能を備えています.これは,かなりスペースを節約し,さらに性能をかなり向上させます.コンパイラと推論エンジンは, 確率表の不足を補う近似のオプションを備えています.圧縮と組み合わせることにより,これは性能面では劇的な効果を持ち,最終結果にはほとんど影響しません.
翻訳者:多田くにひろ(マインドウェア総研)