モニター・ウィンドウ

実行モード では,すべてまたはいくつかのノードについて,モニター・ウィンドウ を開くことができます.これは, ノードを選択してから,表示メニューの"モニター・ウィンドウを表示"項目を選択することでできます. または,実行モードで,ネットワーク・パネルの中のどこかで右マウス・ボタンを押したときに有効になる ネットワーク・パネル メニューの"モニターを表示"項目を選んでもできます.

3種類のモニター・ウィンドウがあります(図1,図2,図3参照). - それぞれノードの種類によって: 離散確率ノード, 連続確率ノード, および 決定ノードです.効用ノードについてはモニター・ウィンドウを開くことはできません.

図 1: 離散確率ノードのモニター・ウィンドウ

図 2: 連続確率ノードのモニター・ウィンドウ

図 3: 決定ノードのモニター・ウィンドウ

モニター・ウィンドウは,ノードについての計算の結果(すなわち,事後周辺分布)を示します.

連続確率ノードのモニター・ウィンドウは,平均と分散を示すパネルの下にグラフ表示つき,または表示なしで開くことができます(下記に説明するネットワーク・プロパティの設定によります).平均と分散の右の小さなボタンをクリックして,それを開いたり閉じたりできます.グラフのパネルの下の2つのドロップ・ダウン・リストから,分散のさまざまな整数倍で,平均プラス/マイナスの終端を選ぶことができます.

グラフの右側にスライダーがあって,それを使ってグラフのローカルな頂点をスポットするためにx軸でズームすることができます.そのスライダーのすぐ下に,グラフの自動更新 が無効になっている場合,グラフを更新するために各プロパゲーション(伝播)のあとに押すボタンがあります.大規模なネットワークではグラフの更新にとても時間がかかりますので,Huginは自動更新をしないこともできます.

ネットワーク・プロパティ ダイアログ・ボックスのモニター・タブで,必要に応じてモニター・ウィンドウをカスタマイズできます.図4は,モニター・タブを示します.

図 4: モニター・タブを表示しているネットワーク・プロパティ・ダイアログ・ボックス

"モニター・ステート"グループ・ボックスで,モニターに表示する最大のステート数を設定できます.連続確率ノードに関しては,常にグラフつきでモニターを開きたい場合は,それを指定することができ,グラフの終端(分散の整数倍)を指定できます.

グラフの精度を指定することもできます.通常,可能な限り正確なグラフが欲しいでしょうが,たくさんの連続確率ノードを持つ大規模なネットワークで,しかもコンピュータの性能が乏しいなら,グラフの精度を落として時間を節約することもできます.

モニター・ウィンドウにはさまざまな表示モードがあります.離散確率ノードに関しては,4つのモードがあります.

  1. ノーマル・モード. これがデフォルトのモードで,そのノードについての現在の周辺分布を示しています.
  2. 相対差モード. このモードは,新しいエビデンスが挿入されて伝播される前の確率との相対変化を示します.変化はパーセントで表示されます.
  3. 絶対差モード. このモードは,新しいエビデンスが挿入されて伝播される前の確率との絶対変化を示します.
  4. 混合モード. このモードはノーマル・モードに似ていますが,各バーの下に新しいエビデンスが挿入されて伝播される前の確率を示す別の(同様な)バーが示されます.

図 5 は,エビデンスが入力されて伝播さえる前の離散確率ノードについてのモニターをノーマルで示します.

図 5: エビデンスが入力されて伝播される前のノーマル・モード

図 6 は,エビデンスが入力されて伝播されたあとの同じモニターをノーマル・モードで示します.

図 6: 新しいエビデンスのあとのノーマル・モード

図 7 は,エビデンスが入力されて伝播されたあとのモニターを相対差モードで示します.

図 7: 新しいエビデンスのあとの相対差モード

図 8 は,エビデンスが入力されて伝播されたあとのモニターを絶対差モードで示します.

図 8: 新しいエビデンスのあとの絶対差モード

図 9 は,エビデンスが入力されて伝播されたあとのモニターを混合モードで示します.

図 9: 新しいエビデンスのあとの混合モード

連続確率ノードに関しては,2つのモードがあります.

  1. ノーマル・モード. これがデフォルトのモードで,そのノードについての現在の周辺密度関数が示されています.
  2. 混合モード. このモードでは,周辺密度関数の新・旧両方が示されます.

連続モニターの表示モードの選択は,周辺密度関数を表示しながらモニターを開いたときだけ作用します(すなわち,表示モード,モニターの上部に示される平均と分散には作用しません).

図 10 は,エビデンスが入力された伝播される前の連続確率ノードのモニターをノーマル・モードで示します.

図 10: エビデンスが入力されて伝播される前のノーマル・モード

 

図 11: 新しいエビデンスのあとのノーマル・モード

 

図 12: 新しいエビデンスのあとの混合モード

決定ノードに関しては,2種類のモードがあります.

  1. ノーマル・モード. これがデフォルトのモードで,ノードについてのさまざまな決定オプションの期待効用値を示します.
  2. 絶対差モード. このモードは,新しいエビデンスが挿入されて伝播される前の,各決定オプションの期待効用値との絶対変化を示します.
図 13: エビデンスが入力された伝播される前のノーマル・モード

 

図 14: 新しいエビデンスのあとのノーマル・モード

 

図 15: 新しいエビデンスのあとの絶対差モード

表示モードは,モニター・ウィンドウを右クリックしたときに現れるポップアップ・メニューで選択できます. 


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翻訳者:多田くにひろ(マインドウェア総研