定量的事業戦略マネジメント
マインドウエア総研は、既存のコンサルティング・ファーム、市場調査会社、データサイエンス・サービス会社、およびフリーランスのコンサルタント、データサイエンティスト等に対して、自己組織化マップを使用した定量的事業戦略マネジメントの手法を提供します。この手法は、過去20年以上にわたって、世界のリーディング・カンパニーやコンサルティング・ファームの一部で、極秘の手法として採用されてきたものです。マインドウエア総研は、これらの経験を集大成しながら、伝道者(evangelist)を育成するためのコミュニティ(マインドウエア・サロン)を構築中です。
SWOT分析やPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)といった従来の戦略的管理手法はもはや時代遅れです。なぜなら、従来の手法では戦略が定性的な情報(自然言語)で表現されており、一度策定した戦略は固定的であり、急激な外部環境の変化に対応できないからです。
多田が昔、日本能率協会で学んだ科学的管理の原則に「定量化できないものは管理(control)できない」というのがあります。これから言えることは、
従来の戦略マネジメントでは、戦略は管理の対象にはなり得ないということです。戦略には複雑な情報が含まれており、単一の数字で表すことはできません。戦略を制御可能にするには、戦略に関連するさまざまなパラメーターを含む数学的モデルを構築する必要があります。このように言うと、ビジネスマンに限らず、従来の戦略コンサルタントも怯むことでしょう。しかし、現代の技術を使えば、そんなことも可能になっているのです。
SOM (自己組織化マップ) を使用すると、数値的データから文字通りの
戦略マップを作成することが可能です。ユーザーは数学的な問題にあまり注意を払う必要はありません。それはコンピュータ・ソフトウェアをプログラムする人の役割です。ただし、誤った結論を導き出さないように、ユーザーは十分に探索的である必要があります。それは、「既存の概念の使用を一旦停止して、物事をあるがままに捉える」という点で、デッサンの技法にも似ています。
戦略の基本は、
自社の陣地をできるだけ分散させないこと(または陣地から敵を排除すること)です。さらに「どの領域」を獲得すると、自社の陣地がより強固になるかという視点でマップを見ると、自ずとその答えがわかります。SOM上で、そこを
ターゲット領域(戦う場所)として定義すると、その領域の各属性(変数)の値がわかります。我々が使用するソフトウェアでは強力なプロファイル分析機能があって、どの属性が他の領域と比べて(統計的に有意に)高いか、低いかということがわります。それによって、その領域を獲得するために、何をどれだけ増やせば(または減らせば)良いかという定量的な判断が可能になります。
従来、主成分分析を使用したポジショニング・マップというのはありましたが、ざっくりいうとそれをより強力にしたものと言えばわかりやすいかもしれません。ポジショニング・マップでは、各ブランド(競合者)が座標面上のポイントとしてしか表現されなかったのに対して、SOMでは、よりリッチな情報が提供されます。
たとえば、消費者アンケート調査のデータをもとに作成したマップは、消費者のデモグラフィック属性、ニーズ、ライフスタイル、趣味、嗜好、用途、(各ブランドへの)関与度などの観点からの類似度によって、消費者が順序づけされています。SOM上の6角形の各ピースを「ノード」と呼び、各ノードには、最も類似した消費者が属していて、隣り合うノード同士は、近くのノードほど類似度が高くなっています。したがって、SOMでは類似した消費者、たとえば各ブランドへの関与度の高い消費者が、ポイントではなく、広がりをもって確認できます。そして、各ノードやノードの集合の特徴をデータの各属性を用いて、統計的手法で評価することができます。
データセット全体でマップを作成するだけでなく、より精緻に分析するために、興味のある属性のみを選択したり、重みづけしたりしてマップを作成することができます。たとえば、ニーズと関与度の関係を見るために、複数のニーズ属性に適切な重みをかけて、関与度の属性は重みゼロにしてマップを作成することにより、関係性の有無を可視化することができます。属性(変数)選択と属性の重みづけは、分析の視点を調整することを意味します。また、元のデータには含まれなかった属性を関連づけることもできます。たとえば、ターゲット領域を選定する際に、「収益性」という属性があればより明確になります。他にもニーズとシーズの連関や、官能評価分析(プリファレンス・マップ法)での消費者の製品選好と各製品の専門家による特性評価の関連づけなどもできます。
我々のコミュニティに参加することにより、定量的事業戦略マネジメントに使用するソフトウェア・ライセンスが提供されるだけでなく、ホットライン・サポート(SlackまたはEメール)により継続的なサポートが提供されます。会員コンサルタントがクライアント様に提供するための各種プレゼン資料やプロポーザルのひな型、手法に関するハンドブック的な資料、自習用の動画などを順次充実させていく所存です。