モンティ・ホール・パズルは、モンティ・ホールが司会を務めたアメリカのテレビ番組"Let's make a deal"から名前を取っています。この番組では、参加者が幸運ならば、3つのドアのうちの1つに隠されている賞品を当てるチャンスを与えられます。ゲームは次のように進められます:
このパズルの問題: 参加者は2回目の選択でどうするべきでしょうか? 何人かの人は、賞品が残りの2つのドアの後ろにありそうな度合いは同じなので、どちらでもよいというかもしれません。しかし、それはまったく真実ではありません。正しい答えは、選択を変えると最も良い確率で賞品を貰えます。1/3ではなく2/3です。 下記では、簡単なベイジアンネットワークを用いて解を計算します。
モンティ・ホール・パズルは、3つの確率変数でモデルできます: Prize(賞品が当たる), First Selection(最初の選択), およびMonty Opens(モンティ・ホールが開く)。
モンティ・ホールは賞品が隠されているドアを知っていて、したがって、Prize は、Monty Opensに影響を持ちます。モンティは、最初に選択されたドアを開くことはありませんので、Monty Opensに影響を持ちます。図1に示すネットワークが出来上がります。
図 1: モンティ・ホール・パズルのベイジアンネットワーク。 因果リンクは、Prize と First Selection が Monty Opensに影響を持つことを記述します。 |
Prize の条件付き確率表が表1に示されます(賞品がどこに隠されているかを知らないことを示します)。
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表 1: P(Prize). |
First SelectionのCPTが表 2に示されます(ネットワークを使用するときに、いつもこの変数の特定のステートを選択するので、この表の確率は重要ではありません)。
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表 2: P(First Selection). |
表 3 は、Monty OpensのCPTを示します。この表は、賞品がDoor 1に隠されていて、参加者がDoor 3を選ぶと、モンティ・ホールが当然 Door 2を開くことを言明します。それしか彼が開けるドアはありません。もし最初の選択で正しいドアを選択すると、彼は2つのドアの1つを無作為に選びます。
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表 3: P(Monty Opens | Prize, First Selection). |
表 1, 2, 3のCPTを持つ図1のネットワークが、Hugin Graphical User Interfaceでとても簡単に構築できます。コンパイルすると、図2のようなHugin Graphical User Interfaceのノード・リスト・パネルが現れます。図2は最初の選択をして、モンティがドアを開くことのできるインタラクティブなJavaアプレットです。この後、Prizeの確率から解が現れます。 このアプレットの機能は、Hugin Graphical User Interfaceの機能ととてもよく似ています。
図 2: モンティ・ホール・ドメインのノード(変数)のリストを示すインタラクティブな図。マウスで最初の選択をして、モンティが開くドアを選択してください。 |
図2 は、モンティがドアを開いた後に選択を変えることが、いつでも最善であることを示します(賞品を貰える確率 66.67% です)。
これが真実であることを納得する簡単な方法は、次のようになります: 最初、正しいドアを選ぶ確率は33.33% で、それ以外のどこかに賞品がある確率は66.67%です。モンティは空のドアを開けることが分かっていて、それはあなたのドアが正しいというあなたの信念について何も変えません。あなたはまだ正しいドアを選択する確率が 33.33% です。したがって、賞品がそれ以外のどこか(最後のドア)にある確率は 66.67% でなければなりません。
翻訳者:多田くにひろ(マインドウェア総研)