石油試掘者

この事例では，石油試掘者が試掘するかしないかの決定をする．彼は，穴が乾いているのか，濡れているのか，石油に使っているのか不確かである．石油試掘者は，現場の地質構造を判断する材料となる地震探査を行うことができる． 探査は，密閉の反射パターン（たくさんの石油を示す），開放パターン（いくらかの石油を示す），発散パターン（石油がほとんど期待できない）の結果を提供する．

石油試掘者は，2つの決定を選択できる．つまり，K$10 のコストのかかる地震探査で試験するか，K$70のコストがかかる掘削を行うか． 掘削から得られる効用は，穴の状態（dry, wet または soaking）で判断される．

この問題のドメインが，図1に占めるインフルエンス・ダイアグラムでモデルされる．Seismicから Drillへのリンクに注意．決定ノードには表が割り当てられないので，このリンクは因果的従属性を表現しない．その代わり，これは Drillの決定がなされたとき，Seismicのステートがわかっているということをシステムに示している．これが指定されていなければ，計算が正しくならない．実際，Drill と Test の決定のどちらが先になされるかをシステムが知ることは不可能である．Huginの開発環境は，インフルエンス・ダイアグラムの決定の流れを知る必要があり，それが明らかでないとコンパイルは実行されない．

図1で，確率ノード Oil にはステート "dry", "wet", "soak"があり，確率ノード Seismic にはステート "closed", "open", "diff"があり，決定ノード Test にはアクション "test" と "not"があり，決定ノード Drill にはアクション "drill" と "not"がある．表 1 および 2にノード Oilと Seismic のCPTを示す．表 3 および 4に効用ノード Pay および Cost の効用表を示す．

これでHuginグラフィカル・ユーザー・インタフェースを用いてインフルエンス・ダイアグラムが構築され ，計算の後，図 2の初期ステートで結果を見ることができる．この時点で読み取る重要な値はTestのそれらだけである． Huginは，石油試掘者が testを選ぶかどうか知る方法を持たない．したがって，Testに従属するノードの値は正しくはない．

テストの期待効用はK$22.5で，一方，テストをしない場合の期待効用は K$20のみであることがわかる． これは，石油試掘者が地震探査でテストを行う（Seismicのステートを彼に与える）ことが最良であることを暗示している．図の中でSeismicのステート名をクリックすると，探査テストの結果が出るときDrillの期待効用に何が起きるかを見ることができる．もし "closed"を選ぶとDrillの期待効用は K$77.5である．また"open"を選ぶと期待効用は K$22.9 で，"diff"を選ぶと期待効用は K$-40.5となる．最後のケースでは，明らかに掘削しない方が期待効用 K$-10.0なのでより良い．

このネットワークは，Huginソフトウェアと一緒にコンピュータにインストールされています． Hugin Graphical User Interfaceでネットワークを開いてください (注意: すべてのブラウザが Hugin を直接開けるとは限りません). Huginをインストールしたディレクトリにネットワークがあります（例． C:\Program Files\Hugin\Hugin Lite\Samples）．

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