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意思決定支援 - 細菌感染の経験的治療のガイダンス

 

患者が細菌感染の疑いがあるとき、血液サンプルが取り出され、経験的な抗生物質治療が始まります。菌血症をもつ患者に不適切な経験的治療を行うと死亡率が40%まであがります。患者の60%しか、被覆剤治療を与えられていないのです。TREAT-システムは、治療を始める際内科医を支援します。現在の研究で、82%にまで被覆剤治療が増加していることが示されています。

臨床的問題

菌血症の患者の30日致死率は24-40%です。致死率は、不適切な経験療法と関連しています。デンマークの北ユトランド地域では、最初に陽性の血液培養の告知があった時点で、菌血症の発症の60%が適切な経験的抗生物質治療を受けています。

ケースの45%で経験療法の調整がなされました。より広域なスペクトル抗生物質を用いることにより、治療の対象が増えると考えられます。抗生物質の使用と耐性発現との間には正の相関があるので、この試みは菌耐性の度数を増加させる可能性が高いと思わます。したがって、現在の患者の治療は、将来の患者の治療の可能性を狭めるいくつかの方法の中でバランスしていなければなりません。

経験的治療での決定時のコスト負担は、副作用のリスクと直接コスト(購入と管理)も含みます。

意思決定支援システム

意思決定支援システムTREAT は、研究プロジェクトであり、経験的抗生物質治療で使用するために開発されています。TREATは、30日致死率と菌耐性パターンを含む限定された臨床データのデータベースに基づきます。

BNと一緒に論理的回帰モデルが構築されて、コストやシステムの形式を評価しました。予備的結果は、そのシステムがケースの82%で治療を提案することを示しています。図 1は、ある病原菌についての単一の決定モジュールを示します。 ノード Ecoli は、特定の感染部位でのE.coli 感染に起因する菌血症を表す確率変数です。ノード Treatment は、さまざまな治療を表し、ノード ResFactors は耐性因子が存在するかどうかを表します。これらの2つのノードは、 現在の治療がどれぐらい効率的に E. coli 菌血症, Cov_Ecoliをカバーするかを決定します。ノード Ecoli* は、ノード Ecoliと同一です。アスタリスクは、菌血症の発症から1-2日経過していることを示します。 Mort30_Ecoli は、感染の致死率への E. colis の寄与度を表します。 Figure図 1 からわかるように、致死率、 E. coli 感染の有無と治療の範囲に依存すると仮定されます。

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図 1 TREAT 決定モジュール

TREATの開発チーム:

Christian Riekehr

Hugin Expert A/S, Denmark

 

Steen Andreassen

Aalborg University / Judex Datasystemer, Denmark

 

Henrik Schønheyder

Department of Clinical

Microbiology, Denmark

 

Brian Kristensen

Department of Clinical

Microbiology, Denmark

 

Leonard Leibovici

Rabin Medical Center, Israel